Mobile in Syria

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1997年11月11日成田発,パリを経て,12日ダマスカス着,14日陸路北のアレッポに向かい,11月20日ダマスカス帰着,23日BAでロンドンに向かい,25日,次の仕事場であるイスラマバードに向かう。この記録は,成田を出発してからロンドンへ帰ってくるまでのモバイルコンピューターの記録である。

成田にて


いつものように,成田空港のラウンジで,ノキアのディジタル携帯電話でメールの処理をする。私の得意のプロバイダーであるホームゲート(HG)の調子がおかしい。認証しないのである。不思議に思いながら,所属先のプロバイダーに繋ぎ,予定の仕事は処理できたが,ダマスカスに着くとHGが頼りなので不安になる。まあ,ダマスカスではうまく行くだろう,と高をくくる。

パリにて


ホテルは凱旋門近くでANAやAFのお客さんがよく泊まるメリディエンエトワール。ここでやはり前回日航パリで遭遇した問題点に当たる。電話の本線から分岐した私の中2線のアダプターが,電話機に繋ぎ込んでも,電話機が生きない。当然モデム側に繋いだ線もモデムを有効にしない。やはりここも日本と違う外2線の電話線なのだ。これは完全にお手上げ,日本でこの外2線の変換器を探したが見つからず,そのまま来たのが致命傷である。仕方がないので,ヨーロッパ規格のGSM携帯電話を取り出す。HGに繋ごうとするが成田での症状と同じ,認証しない。米国のHGの本拠に直接電話するが,サーバー故障中のアナウンスのみ。仕方なく,IBMグローバルネットのパリに繋ぐ。GSMは高いので,メールの処理だけで,他の仕事は出来なかった。ニューヨークにいる息子に,HGを調査しろ,とメールで依頼。このホテルでは,早朝チェックアウトなので,特に外2線の問題は,その日はフロントに相談せず。

朝,チェックアウトするときにフロントに相談すると,写真にあるような変換器を貸し出すという,それを売ってくれ,と頼むと,最初は渋っていたが,20ドルで分けてくれた。これが外2線を中2線に変換するものかどうか判然としないが,多くの人が相談に来ているので,おそらくこれで解決するのであろう。




ホテル・メリディエン・エトワールの自室
GSMの携帯電話で友人が自宅へメール中




真ん中の長方形の物体が
ホテルのフロントで売ってくれた変換器
左はフランス特有の差込
手前に日本でおなじみの差込口がある


パリのシャルルドゴール空港ラウンジにて


空港ラウンジに早めに到着。ビジネスクラスは早めのチェックインが出来るところが味噌。ラウンジの片隅に電話機があるが,これはカード差込方式なので電話カードがなければ使えない。この電話機を使うにはちょっとしたテクニックが必要である。ブランチが必要で,ブランチと電話コード2本が必要である,それは電話機を殺してしまうとカードが有効にならないからである。一度やったことがあるが,カードを買わないといけないし,小物をトランクから取り出して配線しなければならない。ここまでやると,安価にインターネットも繋ぐことが出来る。今回はそんなに時間がなかったので,GSMを取り出して,IBMパリに繋ぎ必要なメールのみをチェック。ニューヨークの息子から,HGはクレディットカードのトラブルで一時的に閉鎖中との情報が入る,ショック!




ラウンジにて
GSM携帯でIBM経由メールを
読んでいる友人
左の電話機は使っていない


ダマスカス及びアレッポにて


11月12日,ダマスカスに入り,シェラトンダマスカスで早速通信にトライ。電話機は離れているが,ジャックは日本と同じなので,長大なコードを準備していたので,結合は何の問題もない。問題はHGの認証がストップしているので,HGダマスカスに繋いでも認証してくれない。これは予想していたことだが,大変な問題だ,国際電話を使うより方法がない。どこに繋げばよいか,電話料金を調べる。イスラエルのテルアビブが近いのだが,シリアはイスラエルを認めていないので,どこを調べてもテルアビブが出てこない。オペレーターに問い合わせたり,頻繁にイスラエルに繋ぐと何か嫌疑が掛かりそうで諦める。レバノンのベイルートは政治的にも距離的にも近いが,IBMはここにAPを持っていない(確かMSNは持っているはず)。近いところではアテネとイスタンブールがあり,料金を調べてみると,ヨーロッパに繋ぐよりは30%ほど安くなるようだ。

そこでIBMアテネに繋ぐことにして設定してトライする。外線発信は「D」,海外接続は「00」であるが,問題は外線発信で,Dではどうしようもないのでオペレーターに聞くと,即座に81でゆけ,と指示してくれた。それでも繋がらないので,友人と一緒にモデムを操作しながら電話機の音を確かめると,外線発信からつぎの発信受付まで少し時間が長いような気がする,そこで「w」一つであった設定を「ww」にする,そうして「ジー」と言う音なのでパルスの設定に変更する。これで無事IBMアテネに繋がった。スピードが案外速い。この前アディスアベバで遅くて遅くて,あのスピードであれば海外接続は不可能であったが,今回は不幸中の幸い。結局発信設定は「81ww00アテネの番号」と言うことである。詳しい通信はあきらめ,最小必要限のメールの送発信で,一回3分で行ける。

アレッポに14日移動,アミールパレスホテルに入る。ここもジャックに問題はないが,外線発信は9で,トーン信号である。やはりIBMアテネに繋ぐ。ダマスカスより遅ければ困ったな,と思っていたが,感じとしてはダマスカスからより早いような気がした。案外通信線の調子は良好のようだ。なお,今回私はIBMネットを使用したが,この方法であればコンピューサーブのPPP接続でも可能である。でも設定はIBMのほうが断然簡単。このように海外に繋ぐには,例えばNIFTYではメールがたまると時間がかかるので,出来るだけメールをこまめに削除する必要がある。

ただ,アレッポのアミールパレスでは,写真で見られるように,机が狭くて,コンピューターオフィスを開設するのに苦労した。




アレッポのアミールパレスの自室
左のベッドの脇から電話線を右の机にブランチ
この狭さではリモートオフィスも大変


ロンドンにて


11月23日,早朝ダマスカスよりBA機でロンドンへ。何と言っても,たくさん残したメールを処理したり,ホームページの改訂をしたり,多くの電子作業がたまっている。2泊するので少しホテルの格を落としたから,室内の電話が心配であったが,このパディントン駅前の Great Western Royal Hotel の電話設備は満足した。シングルの部屋は狭くて鞄を広げるのも苦労するが,机は立派なものがあって,その前の壁に電源と電話のジャックの差し込む口が設定されている。さすがロンドン,と言う感じである。しかしジャックの差込口は例の英国特有の平べったいもので,私はいつも携帯しているが,これがないと慌てるだろう。フロントでも貸してはくれるだろうが。受話器の音では,珍しくパルスなので設定を変える。IBMロンドンもコンピューサーブロンドンも,誠に快適で,日本で使っている感じとスピードは全く同じ。28000なのであろう。たまったニュース等のメールを読むのに約1時間繋ぎっぱなし。インターネットも快適だ。そこで,シリアで仕込んだデジカメの整理とホームページの編集を行う。

ただ,今のロンドンはポンド高で大変。100ドル変えて20ポンド紙幣が僅かに3枚,これではタクシーに少し乗るとなくなってしまう。トッテンナムで何かソフトを買うつもりだったが,これでは駄目だ。

明日は直接イスラマバードに向かう。続編を期待してください。

足立隼夫 ロンドン





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